構造色と色素色

色には構造色と色素色があるのはご存知でしょうか?

構造色は、微細な溝や突起など構造物にる干渉により光の一部の波長が反射されて、鮮やかな色に見える現象で、色素色は、文字通り、色素により、特定の波長の光を吸収(または放出)するため、色がついているように見えるものです。
昆虫にもミドリシジミやタマムシのように構造色を持つものと、一般的なトンボやカメムシのような色素色を持つものがいます。

構造色できれいな昆虫の場合は、標本にしても構造が変化することがないので、保存状態さえよければずっときれいなままですが、色素色の昆虫は、死んでしまうと体内で合成されていた色素の供給が止まるため、徐々に色あせてしまうので、標本にしておいてものが、『こんなはずではなかった』ということになってしまうのは、よくあることです。

当然、標本箱に納めておく対象物としては、構造色を持つ虫のようが見栄えが長続きするため、コレクターには人気となります。反対に、生きているときにはいくらきれいでも、あっという間に色あせて、茶色のみすぼらしい姿になってしまうものはあまり人気がありません。

近年、ぼくが力を入れているカメムシも、くさい臭いを出す種類もいるのも原因の一つだとは思うけども、色素色のものがほとんどで、不人気な昆虫になっているのではないかと推測しています。

しかし、標本箱ではなく、カメラに収めるのであれば、色あせてしまう心配はありません。昔は撮影が、失敗も多くまともに撮るためにはいろいろなテクニックが必要だった高倍率のマクロ撮影も、デジカメの普及で、失敗の心配をする必要もなくなり、色素色の昆虫も容易にきれいなまま画像データとして保存することが可能となりました。
とりわけ多様な形態と多彩な色を持つカメムシ類は、将来注目される可能性が極めて高いグループの一つであると予測できます。

構造色はもう古い。これからは色素色です。

今のうちからカメムシに着手しておけば、将来、きっと多くのファースト・ムーバーズ・アドバンテージを手にすることができるでしょう。

・・・、みたいな、どこで誰に使ったらいいか判らないプレゼンのストーリーを一日中考えていたりして。。。

ちなみに、右上はアカスジキンカメです。これは構造色ということになっているみたいなのですけども、標本は極めて冴えません。左2段目のクモヘリカメムシや2段目真ん中のキバラヘリは、標本みてもラベル見ないと何かさっぱり分かりませんでした。

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