TaigaとRed-breasted

オジロビタキ(Taiga Flycatcher)は日本産鳥類目録第6版ではニシオジロビタキ(Red-breasted Flycatcher)はオジロビタキ(F.parva)の基亜種として扱われていて検討種という扱いであったが第7版ではオジロビタキがF.albicillaとなってスプリットされたが、国内で観察される個体のほとんどがニシオジロビタキ(F.parva)と思われるのにもかかわらず、いまだに検討種のままの微妙な立ち位置のままだ。
  
おもな問題点は、誰も学術論文を書いてないのとSvenssonがニシオジロビタキが日本に飛来するには地理的に妥当ではない(確かに図鑑の分布図からすると来そうにない)、雑種説、中間個体群がいるのでは?等の疑問が残っているためということだが、リストに入らなかったことで写真家のKプロは、第7版で亜種はなくてオジロビタキだけとしているし、図鑑も出しているN君などはオジロビタキをヒガシオジロビタキと適当な和名つけちゃっているし。第8版で日本産鳥類に入れられるまでネット上も含めて亜種、別種の混乱が続きそうだ。いっそのことニシオジロビタキは名前を変えて(英名そのまま訳で)アカムネヒタキに改名してしまえば混乱も収まるかも?
 

識別に関しては、10年前は、オジロビタキとニシオジロビタキの識別情報も曖昧で胸のオレンジ色の範囲が違うから〜というのが識別点とされていて、メスタイプのしきべつは不可能ということになっていたが、現在は下嘴の色、上尾筒の黒色の範囲、胸の色彩、地鳴き等の知見が得られメスタイプでも識別でが可能となってきた。
 
ちょっと以前の画像を見直す機会があったので、少ない観察数ではあるが画像が手元にある個体について検討してみる。
 
 
Red-breastedFlycatcher

▲ 2000年の冬 安城市の個体
この頃、喉が赤い個体は珍しくて見に行った。この画像はダメダメだけど他の人の画像からニシオジロビタキと思われる。
 
 
2003-0125-1226-18
 
▲ 2003/01/25 多磨霊園
下嘴の淡色も目立つ、ふつうにニシオジロビタキ。
 
 
2006-0107-1308-42
 
▲ 2006/01/07 たぶん東京都のどこか。。。思い出せない・・
いい画像残ってなくて・・・。ニシが無難な気がする。
 
 
2006-0924-1247-43
 
▲ 2006/09/24 石川県
下嘴も黒く上尾筒の黒、胸のグレーも濃い。Taigaでよさそう。
 
 
2007-0210-1617-46
 
▲ 2007/02/10 徳島県
ニシオジロビタキが一般に広く知られるきっかけになった個体。 
 
 
2007-0520-1316-59
 
▲ 2007/05/20 石川県
酷い写真だがTaigaで良さそうな個体。
 
 
20081102-123340-094
 
▲ 2008/11/02 山形県
ニシオジロビタキっぽい。
 
 
20110123-093831-091
 
▲ 2011/01/23 千葉県
キガシラシトドがでていた河原の少し上流にでてた個体。ふつうのニシオジロビタキ。
 
 
  
20131020-101304-253
 
▲ 2013/10/20 石川県
水場に居着いていた個体。ニシオジロビタキ。
 
 
その他、1995年に八柱で見たのもニシだったと思っているのでTaigaは2個体しか見てなさそうだ。
どなたか関東周辺で見られたオジロビタキの記録を知っている人いませんか?
 

※識別に関しては私がこう思っているというだけなので異論があればコメントお願いします。

2 thoughts on “TaigaとRed-breasted

  1. 素晴らしい記事を有難うございます。
    アカムネヒタキは私も賛成です。
    Taigaはやはり離島の渡り時期なんですね。
    多磨霊園の画像も有難うございます。
    これですっきりしました。
    こうなると関東でTaiga見たくなりますね~

  2. どもです。
    ジダンさんの記事にインスパイアされて自分の記録を掘り起こしてみました(細部についてはかなり風化してしまっているのですが)。

    ネットでみるとTaigaとされている個体の多くがニシオジロなのでじつはオジロビタキは
    かなりレアなのではないかと思っています。

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