北海道で見られるチュウヒの羽模様の個体差
夏の草原でよくみられる猛禽類といえば、やはりチュウヒですが、北海道の夏の草原では、国内で主に繁殖するとされる国内型はもちろん、冬に渡ってくる個体(大陸型)に似たようなそれらの中間型と思われる個体も少数いるようで、そのような特徴をもった個体が繁殖したと言う話も聞くことが出来ました。今回は僕たちが見ることが出来たチュウヒの個体差の写真をどっと載せてみました。
まず、国内型飛翔
99年9月 02年9月
国内型幼鳥 ♀成鳥や幼鳥だと褐色にクリーム色が混ざる体色をした個体が多い。
どちらも、04年8月
国内型♀成鳥 繁殖を終えてふらふらとしてました。
国内型♂成鳥 今時期の成鳥は初列風切を換羽している個体が多いです。
左04年4月♂成鳥、中央02年9月幼鳥、右99年9月幼鳥
国内型♂は幼鳥のうちから虹彩が淡色になるのもいるらしいです。
次に、国内型静止
♂成鳥(左写真)、♀成鳥(右写真) 04年8月
♂は虹彩が黄色、♀は暗色。つがいでした。成鳥で羽がぼろぼろです。
幼羽
上の幼羽と兄弟で、写真左が上の幼羽個体 どちらも04年8月
羽がきれいな幼羽です。虹彩も暗色。幼羽の時点で羽の色のつき方が違っておもしろかったです。
♂成鳥 04年9月
上から3段目の飛翔個体とおそらく同一。虹彩が淡色でした。
♂成鳥 04年3月
恐らく国内型でよいと思われますが、初列風切の青味などから、もしかすると大陸型との中間かもしれません。
チュウヒも個体差がさまざまで大陸型から国内型まで(中間型も含)いろいろな羽色の個体が存在します。
2枚とも♀成鳥 あすぴーさん撮影 秋田県 03年11月
もう数年連続で渡来してる個体らしいです。幼鳥の羽色に似てますが、成鳥と思います。
頭の白さは不思議ですが、部分白化なのか個体差なのかはよくわかりません。一応僕らは個体差と思ってます。
冬季に観察される国内型に関しては、大陸からやってくる個体も混ざるようなので、その辺個体差が増えるのかもしれません。
さらに中間型?♂若鳥の飛翔です。
♂若鳥 03年6月
撮影:渡辺義昭氏
このチュウヒは、虹彩が黄色いことや、尾羽上面に横斑がないこと、肩羽上面に白色味がすくないことから雄とわかります。また上面初列風切に青灰色みがあることや翼の鷹斑模様が多いことから大陸型、もしくは中間型と考えられます。しかし大陸型雄にしては、褐色味が強すぎるような気がするので、中間型と考えるのが妥当と思います。また下雨覆いの褐色味が中途半端に見えることなどから、若い個体と推測できます。したがって、この個体は中間型♂(成鳥に近い)若鳥と考えるのが、自然だと思います。
もどる