2003年4月20日 北海道中部地方の体下面がなまら黒いハヤブサ

この個体は2003年4月20日に北海道の中部地方(内陸部)で観察された。道の真ん中に降り立ち、休息していたところを発見し観察した。観察当日は周辺でこのハヤブサの他にも渡りの途中と思われるコチョウゲンボウが数羽、アカアシチョウゲンボウも見られ、この個体も同様な理由で同所に渡来したものと考えられる。また、大きさはかなり大きめ(ノスリ大くらい)で周辺の畑で採餌していたマガンを襲っていた。


ハヤブサ亜種不明 幼羽→次回羽に換羽中?

この個体は観察当初、体下面の異常な黒さ(?)や翼下面の黒さ、大きさから亜種オオハヤブサだと思っていた。しかし、その後多くのハヤブサを観察し、この個体について調べていく内に少なくとも純粋な亜種オオハヤブサではないという考えに至った。

換羽状況について
亜種ハヤブサはかなりのオーバーラップがあるように思われる(同じ2月で多少換羽の幼羽と第1回冬羽が混在)ので、
この個体の換羽状況を亜種ハヤブサと同じであると考えると、4月で幼羽が多く残った個体なのか?と思う。雨覆に茶褐色羽縁が存在することや、体下面に茶褐色の羽が存在することが亜種ハヤブサで言うと幼羽の特徴。
だが、もしこの個体が別亜種とすると参考になるものがまったくないので正確に把握することは困難。


遠めにこの個体を見たときは胸から脛にかけての体下面がほぼ一様に黒褐色、ハヤブサひげが太く感じた(そこまで太くない、当時感じたもの)ために亜種オオハヤブサと考えた。しかし、後々見てみると、頬、喉がはっきり白く、ハヤブサひげもあまり太くなく、下尾筒の横帯も亜種オオハヤブサと比べると明らかに細い。この個体の亜種オオハヤブサらしい特徴といえば、大きさ、翼下面の黒さ、体下面の黒さであるがこのうち画像で確認可能なのは体下面の黒さだけである。また、この個体は頬や後頭部から首元の一部が成羽に換羽しつつある。見たときの大きさの印象(かなり大)とうっすら眉斑も見られることから性別は♀と思われる。
 
頭の後ろ
茶褐色ベースの羽にグレーの羽が混ざっている。次回羽に換羽中と思われる。


下尾筒

この細さが今のところ文献、図鑑などで言われている亜種オオハヤブサのどの年令とも違う。




こう見るとハヤブサひげは細めに見える。ろう膜黄色で頭の一部(はやぶさひげなど)も次回年齢羽に換羽している模様。
この頬が白く見えることも亜種オオハヤブサにあてはまらないらしい。
 
亜種不明ハヤブサ                                  亜種ハヤブサ2暦年(第1回夏羽) 03年9月

亜種ハヤブサに比べて上面はかなり褐色味が強く、体下面のは白色と縦斑がほとんど見られない。ここまでいろいろな差があって、果たして同亜種なのだろうか。
 
体下面
上面雨覆と体下面の斑というか羽の色が異常にべったりしている。
このような模様(ここまでべったり一様な感じ)のハヤブサは今まで見たことがない。
図鑑の記述やインターネットでは亜種オオハヤブサについての文などが乏しく、
僕等には今現在はこの個体の亜種は識別不能(亜種不明)。

一応、体上面のべったり具合はシロハヤブサ暗色型幼鳥に似ている写真が見られたが、
ハヤブサひげの色、太さなどで難なく識別することが出来る。

※、この個体について何か知っている方は是非!こちら まで! よろしくお願いします!


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