道内の大型カモメ


北海道では日本で見られる大型カモメのほとんどが見られます。北方系のワシカモメやシロカモメはよく見られますが、
本州の優先種であるセグロカモメはやや少ない傾向があります。
 
 
オオセグロカモメ L.schistisagus


12/30 森町

北海道で最も普通に見られる大型カモメで全道の海岸、最近では市街地のビルの屋上などでも繁殖が確認されています。
個体数が多いオオセグロカモメですが、その個体差も非常に大きくて興味は尽きないはずです。北海道でカモメ類を見る時の基本種です。
 
セグロカモメ L.vegae


12/30 森町

道南ではオオセグロカモメについでよく見られる大型カモメですが、道南以外では通過個体が多く、厳冬期はかなり数を減らします。
道南ではかなりの数が越冬していると思われます。オオセグロカモメ同様に個体差が非常に大きく、カモメ観察の基本種です。
個体数はオオセグロカモメに比べて圧倒的に少ない地域もありますが、秋は全道的に比較的多く、春も特に道央日本海側では
かなりの通過個体が見られるようです。

 
モンゴルカモメ L.v/c.mongolicus


12/30 森町  成鳥

道南では越冬個体もいるものと思われますが、個体数は少なめです。北海道のモンゴルカモメは近年見られることがわかったばかりですが、
案外いるのではという印象をもっています。特に4〜5月にかけて比較的多くの個体がみられることが近年になってわかってきました。
しかし、成鳥は識別がかなり難しくてややこしいので、見過ごされている可能性もあります。写真の個体はかなり特徴的な形をしていると思います。


4/15 余市町  第1回冬羽/夏羽

近年の観察で、春季の渡りでは若い個体を中心に比較的まとまった数のモンゴルカモメが北海道沿岸を北上していることがわかりました。
 
アメリカセグロカモメ L.smithsonianus


12/30 森町  成鳥

個体数はかなり少ないですが、少しばかりの個体数は見られるようです。むかわ町では成鳥が数年(現在も)越冬しています。
成鳥は背中がセグロカモメより薄く、虹彩がかなり淡色なのが特徴です。また、成鳥の場合は雑種との識別がやや厄介です。


12/30 森町  第2回冬羽

smithsonianusの若い個体は背中の灰色はかなり薄いですが、その他は全身暗色傾向かつ斑はモヤッとした感じで
特徴的なことも多いです。また、第2回冬羽あたりから虹彩は淡色傾向になることも多く、若くしてきつい顔つきになります。
 
ホイグリンカモメ L.h.heuglini/taimyrensis


10/8 厚真町

全道の海岸でセグロカモメの群に混じってたまに見られます。この手の個体の説明はかなり面倒なので省略させていただきます。
 
ワシカモメ L.glaucescens


3/6 厚真町

個体数は若干少なめですが、全道的に普通に見られる大型カモメです。本種は砂浜海岸よりも岩礁海岸を好むので、
そのような環境を擁す海岸に多く生息しています。越夏個体も比較的多く、カモメウォッチャーには馴染み深いカモメです。
 
シロカモメ L.h.pallidissimus/barrovianus


11/20 むかわ町

冬鳥ですが一部が越夏します。場所によってはかなり個体数が多いですが、道南ではかなり少なめな所もあります。
また、大型の個体だけでなく、小型の亜種barrovianusと思われる個体も多く見られます。


barrovianus 12/13 むかわ町

道央での観察では、barrovianusと思われる個体は初冬は少なく、春先になるにつれて個体数を増す傾向がある
ように思われますが、12月でも10羽ほどが見られたこともあります。道南砂崎岬での観察では、barrovianus
思われる個体数の比率が道央圏に比べて高い印象でした。

 
カナダカモメ L.thayeri


12/30 森町

全道の海岸で希に見られます。道南では越冬個体がいるものと思われますが、その他の地域では通過個体が
たまにに見られる程度です。
 
アイスランドカモメ L.g.glaucoides/kumlieni


kumlieni 
12/29 厚真町

道内で最も記録が少ないであろう大型カモメです。これまで森町、長万部町、苫小牧市、厚真町、むかわ町、
根室市、別海町、羅臼町、斜里町、網走市などで記録があります。年に1羽見られればかなり運が良い??